2021年1月16日14時46分 
制作実績

2021.01 小説「ITプロジェクト 逆転のシナリオ」

編集協力と執筆支援


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創業100年を迎える老舗呉服店を舞台とした顧客管理システム開発プロジェクトの悲喜交交(こもごも)を描いた物語(フィクション)が、ビジネスシステムイニシアティブ協会の 公式サイト に掲載されています。


制作の中心メンバーは、同協会のパートナーシップ分科会に所属する皆さんで、おもにユーザー企業の立場で業務システム開発を経験してきた方々です。小説は全33話の構成で、メンバーが手分けして各章の執筆を担当されています。


メンバーがそれまでのプロジェクトで経験してきた日本のSIビジネスの歪み、業務システム開発現場でのあるある話、現状を打開するヒントなどが散りばめられており、登場人物たちの置かれた状況が身につまされる方も少なくないかもしれません。


弊社では分科会の依頼を受け、編集協力と執筆支援をさせていただきました。分科会メンバーの方々と一緒に2019年後半から2020年5月前半頃にかけて作業をしました。


物語は、執筆陣が構想を練っていた2018年を舞台に始まりますが、その後、実際の世の中はコロナ禍で当初2020年夏に予定されていた東京オリンピックがなくなったり、世情がおおきく変わったりしました。ただ、物語は当初の構想通りに進めました。コロナ禍の出来事には 触れていません。ただ、プロジェクトにまつわるさまざまな課題はいまだ存在しているように思いますし、密なコミュニケーションが難しい状況だからこそ、その解決に向けた意識改革が真に求められているような気がします。


小説には、用語辞典 が掲載されています。ちょっと皮肉の効いた用語解説です。


着物に関する知識については、たんす屋の元・代表取締役社長の中村健一さんのご承諾を得て、中村さんの著作やブログ記事の内容を参考にしております。中村さんの文章からは着物文化の魅力をより多くの人に伝えたいという強い想いが伝わってきました。登場人物、桐生藤四郎のモチーフには中村さんのイメージを重ねています。著作などは 参考文献欄 に記しております。


複数の著者が分担して1つの物語を創る作業をご支援するのは、こちらとしても初めての「プロジェクト」でしたが、ひとりだけではなし得ない複数の視点やエピソードの多様性が出て読み物としての面白さが生まれたと思います。同一の登場人物の性格の描き方が書き手によって異なるなど、辻褄を合わせるところには難しさがありましたが、それもよい経験となりました。


https://bsia.or.jp/corporate/novel/