行列式と逆行列の導出
掃き出し法(行基本変形)を利用
ある正方行列$A$があり、同じ型の行列$X$との積が、かける順序を変えても変えなくても、同じく単位行列$I$になるとき、$X$を$A$の逆行列といいます。
\[ XA = AX = I \]逆行列$X$を求めるには、行列Aと単位行列Iを並べて拡張した$(A, I)$という行列を変形していき、$(I, X)$という形にすることで求められます。
その数値計算のアルゴリズムをPythonで実装し、実行した結果をこちらに記しました。2行2列と3行3列の正方行列を例に示します。
計算で用いたガウスの消去法といわれる掃き出し法は、連立1次方程式の解や行列の行列式(det)を求める際に利用されます。
行列式(determinant)には、「行列」という単語が含まれているますが、もともと連立1次方程式の解の公式を求めるための方法として、行列(matrix)よりも早く考案されたそうです。一方、行列は線型空間における線型写像の研究のなかで生まれた概念だそう。
日本語表記だけみると「行列の後に行列式が作られた」ように思えますし、かつて授業でも行列を学んだのちに行列式の定義など覚えた記憶がありますが、数学史では逆だったようです。
さて計算途中の行列を眺めると、ある行を何倍かして別の行に加える行基本変形によって段階的に求める形に変わる(掃き出される)様子がわかります。
参考にしたのは、「FORTRANによる演習数値計算(第2版)」(サイエンス社)です。
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#数値計算 #Python #FORTRAN
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