2015.09.14 [JDMC] 地方公共団体におけるデータマネジメントの取り組み ~西宮市の事例
行政データマネジメント研究会より
JDMCの行政データマネジメント研究会では、自治体におけるデータマネジメントの状況を把握する一環で、西宮市を訪問し、お話を伺いました。2015年2月のことです。 そこで伺ったお話に基づいて作成したのがこちらのレポートです。
西宮市では行政業務の推進・改善に職員主体でデータを活用しています。この意味するところは、パッケージ製品を導入した場合でも、市職員による制御を失わない、というものです。
西宮市では、昭和30 年代に業務の電算化を開始して以来、職員自らがコンピュータの知識やスキルを身につけ、情報システムの企画・設計・開発・運用・保守を連綿と主体に行ってきました。
このことが、1995年に起きた阪神・淡路大震災でほぼ市街地の全域が被災した状況下でも、 市の日常業務の復旧とともに、被災者を支援するシステム(被災者台帳・り災証明書の発行・義捐金の配布・避難所の管理・仮設住宅の管理等)を、情報システム課の職員が自らの手で構築し、被災者支援や復旧・復興業務に役立てられた背景にあったといいます。
この時の訪問では、情報管理部部長の三原淳さん 、 同部情報システム課 課長の南晴久さん、レポート内容の確認では同課の笠佐隆介さんなどにお世話になりました。
レポートの第3章では、統合宛名管理システム、西宮市地理情報システム、庁内イントラシステム「NAIS-NET」(ナイスネット)、オープン共通基盤という、市職員が現場で使う主要な情報システム基盤を取り上げています。こうした情報システムは利用者である職員が立案し、開発作業を情報企画課または情報システム課が支援ていく形が理想だと言います。「こういうことを業務でやりたい」という思いや構想を温めているのは、日頃、議会や市民と接する機会の多い現場の職員にほかならないから、です。
普段利用する業務システムに、正確な地図データなどを登録してもらう場合にも 情報システム部門の予算を用いて、地図ソフトの利用のための研修を行っています。まずは職員に利用するメリットをつかんでもらえれば各課の職員もデータの品質維持管理のために「一肌脱ごう」という気持ちにもなるはず、という考えです。
また、情報システム課のメンバーのうち、毎年、現場部門へ 3~4 名が異動しています。システム開発・運用を経験した人材が業務主管部門に移ることで現場の声を業務システムに反映しやすくなり、 データを活用した業務分析や、日頃の行政サービスの改善や災害など緊急時の適切な対応につながっていく、と考えています。
- 行政業務の推進・改善に職員主体でデータを活用する西宮市の事例(PDFファイル)
https://japan-dmc.org/wp/wp-content/uploads/2015/09/JDMC_Report_Gov_Nishinomiyashi_May2015.pdf
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